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実家じまいの基本

お盆の帰省中に確認したい実家チェックリスト|数日でここだけは見ておく

帰省は実家の状態を自分の目で確かめられる数少ない機会。ただし滞在は数日です。建物・室内・書類のどこを見て、何を記録しておけばいいのか、限られた時間で優先すべき項目を整理しました。

やさしい実家じまいガイド編集部

更新 ・ 実家じまい・空き家対策を専門に発信

お盆に実家へ帰ると、去年より庭木が伸びていたり、使っていない部屋に物が増えていたりと、離れて暮らしているからこそ気づくことがあります。「そろそろ実家をどうするか考えないと」と頭をよぎるものの、滞在は数日。親戚づきあいや墓参りもあり、まとまった時間は取れません。それでも、帰省は実家の状態を自分の目で確かめられる、年に数回しかない機会です。この数日でやるべきなのは片付けや売却の実行ではなく、あとで判断するための材料を持ち帰ることです。この記事では、限られた滞在時間で優先して確認しておきたい項目を、建物・室内・書類に分けて整理します。

帰省の数日でできるのは「記録」まで

実家じまいを進めようとすると、片付け・解体・売却といった大きな作業が思い浮かびます。しかし、それらはいずれも数日で終わるものではありませんし、親の同意なしに動かせるものでもありません。帰省中に狙うべき成果は、「離れていても判断できる材料をそろえること」です。

実際、実家じまいで最も時間を食うのは、作業そのものよりも「現状が分からないので判断できない」状態です。屋根の傷み具合、境界の状況、権利証がどこにあるか——これらが分からないままでは、業者に相談することも、兄弟姉妹と話し合うこともできません。逆に写真とメモさえあれば、自宅に戻ってから見積もりを取ることも、家族で相談することもできます。全体の流れは実家じまいとは?何から始める?で確認しておくと、何を記録すべきかが見えてきます。

建物の外まわりで見ておくこと

まず屋外です。ここは親が気づいていない劣化が進んでいることが多く、放置すると近隣トラブルにつながる部分でもあります。

確認する場所見るポイント放置した場合の影響
屋根・外壁ずれ、ひび、雨染み、色あせ雨漏りが進むと売却時の評価が下がる
雨どい・軒下詰まり、外れ、たわみ外壁の傷みが早まる
庭木・生垣越境していないか、枯れていないか隣家からの苦情の原因になりやすい
境界の目印境界杭・ブロック塀の位置売却時に境界確定を求められることがある
車庫・物置中に何が残っているか処分費用の見積もりに影響する
近隣との接し方私道か公道か、接道の幅再建築の可否や売りやすさに関わる

とくに庭木の越境と境界は、あとから交渉が必要になりやすい項目です。隣家に挨拶できる機会があれば、世間話のついでに現状を聞いておくと、あとで揉めにくくなります。空き家として放置した場合のリスク全体は空き家を放置するとどうなる?にまとめています。

室内で確認しておくこと

室内は「物の量」と「傷みの有無」の2点を押さえます。全部を開ける必要はありません。押し入れ・納戸・物置の3か所を開けて、写真を撮るだけでも十分な材料になります。

物の量は、そのまま片付け費用に直結します。業者に見積もりを依頼するとき、部屋数と物の量を伝えられるかどうかで話の早さが変わります。費用の考え方は実家の遺品整理・不用品処分の進め方と費用相場を参考にしてください。物が多い場合は物が多すぎる実家の片付け方もあわせてご覧ください。

傷みについては、水まわり(台所・浴室・トイレ)と、雨漏りの跡がないかを重点的に見ます。天井のシミ、床のたわみ、壁紙の浮きは、いずれも建物の状態を示すサインです。

書類まわりは最優先で探す

時間が限られているなら、物より先に書類です。書類は親が元気なうちにしか場所が分からなくなるもので、いざというときに最も困る部分だからです。

探す書類なぜ必要か
登記識別情報(権利証)売却手続きで必要になる
固定資産税の納税通知書土地・建物の評価額と地番が分かる
測量図・境界確認書境界が確定しているかの判断材料になる
建築確認済証・検査済証建物の適法性を示す。売却時に求められることがある
火災保険の証券契約内容と満期の確認に必要

すべて見つからなくても構いません。「どこにありそうか」を親から聞いておくだけでも大きな前進です。相続が発生してから家中を探すことになると、時間も労力も比べものになりません。相続登記は義務化されており期限がありますので、相続登記の義務化とは?もあわせて確認しておくと安心です。

写真の撮り方が、あとで効く

記録の中心は写真です。ポイントは、引きと寄りの両方を撮ることと、撮った場所が分かるようにすることです。部屋の四隅が入る引きの写真を1枚、気になった箇所の寄りを数枚。これを部屋ごとに繰り返します。

撮影日が自動で記録されるため、来年の帰省時に見返せば劣化の進み方も分かります。兄弟姉妹と共有すれば、現地に来られない人とも同じ前提で話ができます。写真をまとめたアルバムを家族で共有しておくと、そのまま話し合いの資料になります。

帰ってからやること

持ち帰った材料をもとに、自宅で落ち着いて次を考えます。物量が多いなら片付け業者へ、建物の傷みが激しいなら解体費用の目安を(実家の解体費用相場はいくら?)、売却を視野に入れるなら査定を(実家(空き家)をどう売る?)。いずれも現地に行かずに情報収集できる段階です。

そして次の帰省までに、親と話しておきたいテーマを決めておきます。一度で結論を出そうとせず、帰省のたびに一歩ずつ進めるほうが、家族の関係を保ちながら前に進めます。切り出し方に迷う場合は実家じまいはいつから始める?を参考にしてください。

よくある質問

Q. 親に「家を売る気か」と思われそうで、確認しづらいです。
A. 「万が一のときに困らないように、場所だけ教えておいてほしい」という伝え方が受け入れられやすいようです。売却の話を持ち出さず、防災や修繕の話から入ると自然に進むことがあります。
Q. 写真を撮るのを嫌がられた場合はどうすればいいですか?
A. 無理に撮らず、メモだけでも残しておきましょう。屋根や外壁など屋外の写真は比較的抵抗が少ないので、そこから始めるのも一つの方法です。
Q. 兄弟がいますが、自分だけが帰省しています。
A. 記録を共有することで、来られない兄弟も状況を把握できます。「勝手に進めている」と受け取られないよう、確認した内容をそのまま共有しておくことが、後の話し合いを円滑にします。
Q. 権利証が見つからない場合、売却できませんか?
A. 権利証を紛失していても、司法書士による本人確認情報の作成など代替手段があるとされています。詳しい取り扱いは個別の事情で変わるため、司法書士にご相談ください。

本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な判断を示すものではありません。相続、登記、税金に関する具体的な取り扱いは、弁護士・司法書士・税理士などの専門家や、自治体の相談窓口にご確認ください。

帰省中にできることは、決めることではなく、見ておくことです。写真とメモを持ち帰るだけで、離れていても家族で同じ景色を見ながら話せるようになります。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。費用・制度は自治体・事業者により異なり、法律相談・税務相談ではありません。個別の判断は専門家・市区町村窓口にご確認ください。