実家(空き家)をどう売る?査定・空き家バンクの活用法
実家を売却するにはどんな方法があるのか。不動産会社への査定依頼、空き家バンクの活用、それぞれの向き不向きを整理して解説します。
更新 ・ 実家じまい・空き家対策を専門に発信
実家の家財整理が一段落すると、次に向き合うのが「この家・土地をどうするか」という問題です。売却するにしても、何から始めればいいのか、田舎の実家でも買い手がつくのか、不安を感じる方も多いはずです。地方の実家だと「そもそも売れないのでは」という先入観から、相談すること自体をためらってしまう方も少なくありません。しかし、実際に相談してみると想像より選択肢が多く、早めに動いておけばよかったと感じる方も多いのが実情です。この記事では、実家(空き家)を売却する際の主な方法と、それぞれの向き不向きを整理して解説します。
売却の主な選択肢は3つ
実家の売却方法は、大きく①不動産会社に仲介を依頼する、②不動産会社に直接買い取ってもらう、③自治体の空き家バンクに登録するの3つに分けられます。立地条件や急いでいるかどうかによって、向いている方法が変わってきます。
どの方法を選ぶにしても、まずは「今の実家にどのくらいの価値があるのか」を把握することが出発点になります。査定は多くの場合無料で受けられるため、売る・売らないを決める前の情報収集として活用するとよいでしょう。
複数の方法を同時に検討することも可能です。仲介での売却活動を進めながら、並行して空き家バンクにも登録しておくといった柔軟な進め方を選ぶ方もいます。
①仲介:時間はかかるが高値を狙える
不動産会社に仲介を依頼し、一般の買い手を探してもらう方法です。買取に比べて高い価格での売却を狙える一方、買い手が見つかるまでに時間がかかる傾向があります。都市部やアクセスの良い立地であれば、この方法が第一候補になりやすいです。
仲介の場合、成約までの期間は数ヶ月〜1年程度かかることも珍しくありません。時間に余裕がある場合や、少しでも高く売りたいという希望が強い場合に向いている方法だといえます。
②買取:スピード重視ならこの方法
不動産会社が直接買い取る方法です。短期間で現金化できるのが最大のメリットですが、仲介に比べると売却価格は低くなる傾向があります。管理の負担を早く手放したい、遠方で通えないといった事情がある場合に向いています。
買取は早ければ数週間程度で現金化できることもあり、固定資産税や管理の負担から早く解放されたい方に向いています。価格よりもスピードと確実性を優先したい場合の選択肢として検討してみてください。
③空き家バンク:田舎の実家にも道が開けることがある
空き家バンクは、自治体が運営する空き家と利用希望者をマッチングする仕組みです。一般の不動産市場では買い手がつきにくい地方の実家でも、移住希望者やUターン希望者とつながる可能性があります。国土交通省が全国の空き家バンク情報をまとめたページを公開しているので、まずはそちらで自治体の窓口を確認してみるとよいでしょう。
自治体によっては、空き家バンクの成約時にリフォーム費用の補助金を用意しているところもあります。買い手にとってのメリットが大きいほど成約につながりやすくなるため、お住まいの自治体の制度もあわせて確認しておくとよいでしょう。
売却方法の比較
3つの方法にはそれぞれ一長一短があります。自分たちの状況(急いでいるか、価格を優先したいか、立地条件はどうか)に照らして、どれが向いているかを整理してみましょう。
| 方法 | スピード | 価格 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 仲介 | 遅め | 高くなりやすい | 都市部・アクセス良好な立地 |
| 買取 | 速い | やや低めになりやすい | 早く手放したい・遠方在住 |
| 空き家バンク | 案件次第 | 相場より抑えめのことも | 地方・移住需要がある立地 |
売却前に済ませておきたいこと
売却をスムーズに進めるには、事前に家財の整理を終え、必要であれば解体するかどうかの判断も済ませておくことが望ましいです。家財整理の進め方は実家の遺品整理・不用品処分の進め方、解体費用の目安は実家の解体費用相場はいくら?で解説しています。相続した実家の場合は、税金の特例が使えるかどうかも確認しておきましょう。
また、1社の査定だけで判断せず、複数の不動産会社や自治体の窓口に相談してみることで、より納得のいく選択肢が見えてきます。相続税・譲渡所得税に関する特例は相続した空き家の3000万円特別控除とは?もあわせてご確認ください。
査定額は会社によって差が出ることも珍しくありません。1社だけの提示額を鵜呑みにせず、複数社の査定を比較することで、より納得感のある相場観をつかむことができます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 古くて傷んだ実家でも売却できますか?
- A. 状態によっては買取や空き家バンクでの需要が見込める場合があります。まずは複数の窓口に相談し、可能性を確認してみることをおすすめします。想像以上に需要がある場合も少なくありません。諦める前に一度相談してみましょう。
- Q. 空き家バンクに登録すればすぐ売れますか?
- A. 登録がそのまま成約につながるとは限りません。エリアや物件の状態によって成約までの期間は変わります。他の売却方法と並行して進めるのも一つの手です。焦らず気長に構えることも大切です。継続的な情報更新も成約率を高めます。
- Q. 解体してから売る方がいいですか、そのまま売る方がいいですか?
- A. 立地や建物の状態によって異なります。不動産会社に現況のまま相談し、解体した場合との比較も含めて検討することをおすすめします。両方のシナリオで試算してもらうと判断しやすくなります。費用対効果もあわせて確認しましょう。
- Q. 相続人が複数いる場合、誰が窓口になればいいですか?
- A. 代表者を決めて進めるのが一般的ですが、売却には相続人全員の合意が必要になる場合があります。事前によく話し合っておきましょう。書面で合意内容を残しておくと後々のトラブルを防げます。専門家に間に入ってもらうのも有効です。
実家の売却方法は一つではありません。仲介・買取・空き家バンクそれぞれの特徴を理解したうえで、自分たちの状況に合った方法を選ぶことが、後悔のない実家じまいにつながります。一つの窓口だけで諦めず、複数の可能性を探ってみてください。※本記事は一般的な情報提供です。個別の売却判断は不動産会社・専門家にご相談ください。
RELATED
あわせて読みたい
田舎の実家が売れないときの7つの選択肢|諦める前にできること
不動産会社に相談しても反応が薄い、査定額がつかない——田舎の実家が売れないと感じたときに検討したい選択肢を、現実的な順番で整理して解説します。
相続登記の義務化とは?期限・罰則と実家じまいへの影響を解説
2024年4月から相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になります。期限のルール、過去の相続の扱い、実家売却との関係を解説します。
空き家管理サービスとは?費用相場と自分で管理する場合のチェックリスト
遠方の実家を空き家のままにしておくなら、定期的な管理が欠かせません。空き家管理サービスの内容と費用相場、自分で管理する場合のポイントを解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。費用・制度は自治体・事業者により異なり、法律相談・税務相談ではありません。個別の判断は専門家・市区町村窓口にご確認ください。